ロジカルシンキング
「ロジカルシンキング」を読んで
ロジカルシンキングとはなんぞやを学ぶため、上司に勧められた本を読んでみた。
####まとめ
第1部 書いたり話したりする前に
- 必ず課題(テーマ)と相手に期待する反応を確認
- 相手に伝えるべきメッセージとは?
- メッセージとは以下の3つのものを満たしているもの
1.そのコミュニケーションにおいて答えるべき課題が明確であること
2.その課題やテーマに対して必要な要素を満たした答えがあること。
3.そのコミュニケーションの後に、相手にどう反応してもらいたいか、つまり相手に期待する反応が明らかであること
要は、課題はこれで、それに対する相手の答えはこれで、自分にはこれをしてほしいといっているのだな、ということが自分の頭に明快に残るかをクリアにして、初めてコミュニケーションと言える。
- 課題(テーマ)を確認する
文章を書く前、人に物事を説明する前に、
「今日のテーマはなにか?」
「これから説明するのはXXというテーマについてだな」
と確認することを習慣づけること、と筆者は述べている。
上記を意識せず、相手がその課題を「今検討するべき課題」と認識していなければ、議論の土俵にすら登れない。
- 相手に期待する反応を確認する
①業務連絡、事務連絡など、相手に理解してもらう伝える内容を相手に正しく理解してもらった上で、知ってもらいたい内容。
②相手に「意見や助言、判断度ををフィードバック」してもらう内容を相手に正しく理解してもらった上で、相手がその内容について、相手から判断や助言、感想などを投げ返してもらいたい場合。
③相手に「行動」してもらう伝える内容を相手に正しく理解してもらった上で、相手になんらかの行動をしてもらいたい場合。参加依頼の実施、アンケートに答えてもらう場合など。
- 答えとは?
課題に対し、伝え手が、
どのようなアクションをとるべきだといっているか?
イエスなのノーなの?
どのような意見をもっているのか、がクリアに頭に残るか?
その結論に至った根拠に納得感があるか?
結論がアクションの場合、具体的なやり方が示されているか?
第三者にあるアクションを指示する場面を想定したとき、指示の中身が具体的にイメージできるか?
- 当初設定した課題の答えでないことを伝えたいとき
「僕の答えを一言で申し上げれば、要するに、XXXX」といって説明する答えの核の部分である「結論」、
そしてなぜその結論に至ったか、結論の妥当性を説明する「根拠」、
結論がアクションである場合には、それをどう実行するかを説明する「方法」だ。
「状況によっては」ではなく、「利用率が20%を上回ったら」と、「地域によっては」ではなく、「代理店カバレッジが40%以下の地域は」というように、条件の中身をきちんと明示すること。
定量化するだけでなく、「顧客から、〇〇の要望が出た場合、XXの検討を始める」という、定性的な中身を具体的に伝えることも可能。
- 根拠が伝わらないときの落とし穴
「Aが必要だ。理由はAがないからだ」は根拠にならない。
その現象を引き起こしている数ある原因の中から、なぜそれを選んだのかを説明することが重要である。
例えば、営業力の強化が緊急課題というものであれば、営業力の弱体が収益性にどう悪影響を及ぼしているか、その他の収益性悪化の原因のなかで、なぜとりわけ営業力強化が重要なのか、を説明しなければならない。
事実に対して、与えられた課題に答えを出す上で、その事実をどう見るか、という判断の軸こそが、企業にとっての戦略的な視点であり、問題解決の要点。
これらをきちんと示すことが、結論とそこにいたる根拠を、相手や組織の中で共有化する上で極めて重要。
- 方法が相手に伝わらないときの落とし穴
賢明な部下は、「部長のおっしゃることは、具体的にこういうことですか?」と質問確認をし、物事を具体的に理解しようとする。このように、物事を具体的に伝えるのは、伝え手と受けての共同作業であり、共同責任だ。
具体性とは、言葉、表現の問題ではない。具体的に方法を書ける、話せる、ということは、具体的に問題が解けているということ、どうすればよいかを具体的に考えられているということ。
- 感度の良い受け手になるには
自分に文書が回ってきたら、その文章の目的と自分に期待される反応を把握し、その上で読み始める。
「この文章は何目的でおれに回ってきたのか?」「これを読んで、私は何をすることが求められているか」と。
組織の中で、課題を期待する反応を確認する癖がつけば、コミュニケーションの効率も効果も大いに高まるだろう。
第2部 論理的に思考を整理する技術
- MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)
「ある事柄を重なりなく、しかも漏れのない部分の集合体としてとらえること」を意味する。
- So What?/Why so?する習慣をつける
「要するにここから何が言えるのだろう」
「要するに、この話で大事なことはなんだろう」
と考える癖をつけるしかない。
- 洞察のSo What?は観察のSo What?なくしてならず
論理的なコミュニケーションには、相手との間に設定された「課題」に対する「答え」が用意されていること。さらに「答え」の要素には、結論と根拠、あるいは方法があることは前述した。
①観察のSo What?/Why so?
データや情報が何を意味するかを要約し同時に本当にそのようなことが言えるのかどうかを検証すること。
観察の対象が事実であれば、SoWhat?の結果も事実の要約であり、対象がアクションの場合には、観察のSoWhat?の結果もまたアクションの要約になる
②洞察のSo What?/Why so?
観察の、、をした上で、課題に照らし合わせてもとのデータや情報とは異質な要素を抽出し、同時に本当にそのようなことが言えるのかどうかを検証すること。
目に見える業務上の問題点(事実)から、その問題を引き起こしている根本的な要因について仮設をたてることも、それにほかならない。